アントレプレナーシップ教育プログラム

活動報告

【3月19日-24日】インド理科大学(IISc)へ研修

 2018年319 – 24日の1週間、本学の学部3年生(機械工学課程)の島津颯太君・吉井武輝君と博士後期課程(建築・都市システム学専攻)1年生のNyein Nyein Ayeさんの計3人の学生がバンガロールのインド理科大学経営研究科(Indian Institute of Science, Department of Management Studies)でのアントレプレナーシップの研修プログラムに参加しました。通常の大勢の学生・受講生を対象とした商業ベースのセミナー・ワークショップではなく、本学の学生のみを対象とした特別セミナーを前学科長のProf. M H Bala Subrahmanyaと現学科長のProf. Parthasarathy Ramachandranの御尽力で開催して頂きました。インド理科大学は、有名なインド工科大学IIT(Indian Institute of Technology)が複数あるのに対してバンガロールに1校しかなく、学生比率としてIITのような学部・修士学生比率よりも、博士課程院生の比重が高い研究志向の大学で、医学系を除く理工学系のトップスクールです。また、同経営研究科はやはり複数あるインド経営大学(Indian Institute of Management)のどのビジネススクールよりも古い歴史を有しています。今回、学生は学内guest house(Hoysala House)に宿泊させて頂きました。

研修スケジュール

3月19日(月)

     学科長・前学科長のご挨拶               院生研究室

     

 

 日曜の深夜に空港に着きましたが、博士課程の院生2人が空港まで出迎えてくれました。月曜の午前10時から現・前学科長の挨拶があり、若手教員や一部予定が変更され外部の講演者も参加して各自の専門分野に関するセミナー式の講演会を夕方まで行い、各セッションで活発な質疑の時間も持ちました。上部右の写真は、院生の研究室です(DMSには学部学生がいなく、修士課程の院生と、一層人数の多い博士課程の院生のみが在籍しています)。

3月20日(火)

Nyein Nyein Ayeさんの博士課程院生へのプレゼン           発表会に参加する博士課程の院生達

     

 

  本学への学生の留学の勧誘                              博士課程院生と記念写真

     

 

 第2日目は主に外部のバンガロールのベンチャー生態系に関する各専門家の講演会形式のセミナーと質疑が実施されました。例えば、市内のコンサルタント、米国から帰国したベンチャー創業家で兼任教員、元政府高官で企業評価会社創業者などの講演が行われました。夕方には、博士後期課程院生のNyein Nyien Ayeさんによる博士課程院生向けのプログラムに沿った研究発表会が開催され、特に数学に強い学生達から多くの鋭い質問が出され、活発な議論が交わされました。  
 右上の記念写真の中の数人の学生は工学部卒業後に博士課程に飛び級で入学しています。

3月21日(水)

Centre for Nano Science and Engineeringへの訪問      Ducom Instruments Pvt. Ltdへの訪問

    

 

 第3日目の水曜日は、学外研修で、Trans Disciplinary UniversityCentre for Nano Science and Engineering (CeNSE)Ducom Instruments Pvt. Ltdなどを訪問し、実地見学して、学内セミナーの内容の検証を行いました。バンガロールはソフトウエア産業だけでなく、ナノテクの開発や工作機械などの製造業など次世代に向けた振興を図っています。

3月22日(木)

島津颯太君の修士課程院生への事業計画の発表  吉井武輝君の修士課程院生への事業計画の発表

     

 

 第4日目の木曜日は、IT企業の幹部で革新・開発協会の会長兼博士課程院生、金融工学・リアルオプション担当の若手教員、元政府系研究所研究者でベンチャー創業支援コンサルタント、Prof. M H Bala Subrahmanya、広報担当教員の各セミナーの後に、修士課程院生向けに島津颯太君と吉井武輝君による事業計画の発表がなされました。夜には、博士課程院生有志の主催による近くのヒンズー寺院内の瀟洒なレストランでのディナーに招待され、研究に関する非公式な底流的議論と冗談が交わされ、人材の層の厚さと潜在能力の高さを実感しました。一部の学生はJSTさくらサイエンスで過去に本学での1週間の研修に参加しています。また、Nyein Nyien Ayeさんにも数学モデルの得意な学生から相変わらず鋭い質問と、研究方法についての和やかな雰囲気での情報交換の機会がありました。寛いだ雰囲気の中でも学生の真面目さ、才気、そして進取の意欲を感じることができました。

3月23日(金)

工学部と経営学研究科との兼任教員のセミナー    新キャンパス構想担当の大学幹部との面談

     

 

 第5日目(金)の予定は、工学系と経営研究科の両方の兼任教員で大学幹部によるエネルギー産業のセミナーと、産学連携・技術移転担当の責任教員そして新キャンパス構想担当の大学上級幹部への各面談があり、その後、Prof. M H Bala Subrahmanyaの学生でキャンパス内のNational Institute for Advanced Studiesの助教授からのバンガロールでのベンチャーキャピタルの研究に関するセミナーがありました。ベンチャーキャピタルの研究はアカデミックな研究で比較的踏み込んだ議論ができました。兼任教員も新キャンパス構想担当教員もかなり親日的で和やかな雰囲気で議論しました。特に、新キャンパス構想担当教員からは構想に対するフィードバックを求められかなり緊張しましたが、経営研究科への帰りの際にお見送りを頂きました。

3月24日(土)

     ヒンズー寺院への参詣           カルナタカ州議事堂の前で記念写真

     

 

 滞在最終日の土曜日は、エクスカーションで、近くのヒンズー寺院への参拝、公園での散策、州議事堂前での記念写真、ショッピングモールでの土産の購入などバンガロールの大学外の一般の人達の文化・日常生活を垣間観ることができました。その後、Prof. M H Bala Subrahmanyaのご家族主催の夕食会に招待され、IIScがバンガロールのベンチャー生態系で果たしている役割や周辺のベンチャーキャピタルやアクセレターなどの支援者などの人的ネットワーク内での人・資金・情報の交流の様子などの概略的理解について総括的な議論をし、今後も互いの大学間の交流の絆を深める約束を致しました。その後、空港までタクシーの手配を頂きました。

 今回のプログラムでは、講演者への謝金、ゲストハウス・食事・国内移動費などについて無償でご支援頂いたことに深く感謝致します。また、日本の大学も欧米化の流れに沿って変化の途上ですが、欧米の大学では考えられない対応にアジアでの文化的な交流の共通点を感じました。

 

ビジネススクール事務局:植松

            office@siva.tut.ac.jp

            ℡:0532-44-6964

(受付時間:月・火・木曜日の9:00-16:00

活動報告一覧へ