アントレプレナーシップ教育プログラム

ごあいさつ

アントレプレナーシップ 教育への取り組み

 2017年度に文部科学省の次世代アントレプレナー育成事業(EDGE-NEXT)に、名古屋大学を主幹機関とし、豊橋技術科学大学、名古屋工業大学、岐阜大学、三重大学を協働機関、大阪大学を協力機関としたコンソーシアム「Tokai-EDGEプログラム」が採択されました。本プログラムにおいては、大学等の研究開発成果を基にした起業や新事業創出に挑戦する人材の育成、地域のベンチャー・エコシステムの構築などを目的としています。本学においてもこのプログラムを活用し、2018年度より開講したビジネススクールをはじめ、様々な活動を行ってきました。

 2020年には「アントレプレナーシップ教育推進室」が設置され、より一層、アントレプレナーシップ教育および人材育成に取り組んでいこうと考えています。 本学は、高専出身の学生が全体の約8割を占め、普通高校、工業高校、留学生など、多様な学生を受け入れ、多文化共生のグローバルユニバーシティを目指しています。卒業までに学生が「創造的で実践的な技術者育成」という目標を達成できるように、入学から基礎と応用を繰り返し教育する「らせん型教育」を実施しており、工学と技術に極めて強い学生が数多く在籍しています。

 一方、2020年の新型コロナの蔓延により、従来の産業構造、日本的経営から変革の必要性に迫られています。これまで、企業現場では創造性より指示されたことを的確にこなす能力が必要とされてきましたが、今後は、柔軟性と創造性を有し、アントレプレナーシップを持つ人材の必要性が急速に高まりつつあります。

 本学におけるアントレプレナーシップ教育では、起業を指向する数%の学生に起業家教育を実施するにとどまらず、起業を指向しない学生に対してもその必要性を伝え、組織のメンバーに方向性を示し、組織のイノベーション・成長をけん引するような真に社会で必要な人材の育成を行うことを目指しています。本学は、産学連携に特徴があり、地元企業などとの強い結びつきにより、特色のあるアントレプレナーシップ教育が可能であると考えています。地元企業との共同研究、インターンシップを通し、地域社会や地域経済の理解、地域企業の課題などを学び、生きたビジネスに触れながら工学技術に強い学生のアイデアを実践するような取り組みができるのではないかと思います。

 地域企業や自治体と連携しながら、キャリアを自ら描くことのできる学生を育成することを目指します。それが、地域イノベーション・エコシステムの醸成につながり、地域産業の活性化に結びつくものと考えています。

 副学長(研究力強化担当)/研究推進アドミニストレーションセンター長  田中 三郎